AQL日記

能登麻美子さんを愛する犬AQLの、読むと時間を無駄にする日記です。"非モテの星から来た男"のMEMEを云々。

『イノセンス』『ブルーバレンタイン』

ハダリー。

はてなさんだとはてなキーワードとやらに勝手にリンク付してくれるらしくて、それが僕はとても気に入っている。小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』か沼正三の『家畜人ヤプー』ばりに、注釈と引用で占められたブログをいつか書きたい。そんなもの誰が読みたいというのか。
ところでハダリーというとリラダンの『未來のイヴ』だが、はてなキーワードだと『イノセンス』のハダリが出てくる。いや、『屍者の帝国』の花澤香菜が出てきても困るんだけどさ。というわけで、はてなさんの機能は好きなんだけど、そういう点でちょっと困惑したりもする。慣れねば。


■「わかってる。つまり純愛ってことだよね」

イノセンス』のDVDのCMで藤原竜也がそんなことを言っていた。どうやら『イノセンス』は純愛映画らしい。箴言合戦のペダンティックロマンかと思っていたが、誤解していたようだ。いや別に恋愛映画でもなんでもいいんだけど。山寺宏一さんと大塚明夫さんがだらだらと喋っていてくれればそれでいいし。数年前は酒を飲みながら観て、かけっ放しで寝ていた。気付くと「Follow me」が流れているか、メニュー画面だった。なので僕は大抵、択捉経済特区まで辿り着けなかった。いや、別に嫌いだとか詰まらないだとか、そういうことでは全くない。

押井作品で言えば『スカイ・クロラ』は劇場で寝たけど、それはもういっそのこと誇りに思っているから構わない(だって栗山千明が全然出てこないんだもん)。今では『スカイ・クロラ』は、森博嗣の原作小説も読んだし、加瀬亮の謎のマッチの点け方まで真似してみる程度には好きになった。

閑話休題、押井版の『攻殻』が恋愛要素を多分に含んでいることを僕は否定しない。つまり純愛映画でも一向に構わない。ただ純愛映画って視点で観たら、この上なく詰まらなくなるんじゃないか? って危惧がある。だって行方不明の女を忘れられないサイボーグなんて――あれ、面白いかも。でも「いっしょに恋愛映画でも観ようよ」って女の子を誘うのに、この映画はふさわしくないと思う。どんな観方をしてもいいと思うんだけど、とりあえず何より、押井だからなあ。押井映画ってジャンルでいいんじゃないかな。

藤原竜也「わかってる。つまり押井ってことだね」

とりあえず3DCGをかじっていた者としては、あのコンビニのシーンはとてつもなく人格を歪ませる苦行のように思えてならない。(そーいえば、映画『殺し屋1』で塚本晋也が肉体だけ差し替えでマッチョになってるシーンがあって、コメンタリーで「毎日会社に来ては、マッチョの肉体と塚本さんの顔を合成しているコンポジッターが可哀相になった」とかなんとか言ってたけど、そんな感じ)


■『ブルーバレンタイン

ところで恋愛映画といえば、この前観たデレク・シアンフランス監督の『ブルーバレンタイン』のせいで、僕は恋愛映画に対して現在、気乗りがしない。あの映画は映像といい見せ方といい、細やかな仕草といい、とても見る価値のあるものだったけれど、それでも内容が内容だったので気持ちが沈んだ。さすがトラウマ恋愛映画。Sちゃんが「時計じかけのオレンジ』の次に体力を使う映画」とか言ってたけど、それは確かにそうだと思う。あの日は本当に疲れた。久々の休日だったけれど、見事に気分を沈殿させてしまった。その直前に観た『恋は五七五』は面白かったけど。

ところで『恋は五・一五』ってアイデアが浮かんだんだけど、誰か使ってくれないかな。首相官邸に押し入った青年たちが憲兵隊に囲まれながら血まみれでキスするみたいな。どこの『地獄でなぜ悪い』だ。